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東日本大震災後の不動産市場動向アンケート調査結果
(第15回)公表

 東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所の事故後における不動産市場変動を捉えるべく実施した「東日本大震災後の不動産市場動向に関するアンケート」の第15回分の調査結果を発表致しました。  
 今回の調査では、震災・原発事故からの復興等を背景とした県内不動産に対する需要は、全体としては、前回調査(第14回、平成29年4月1日時点)した時よりもさらに減少し、不動産市場に対する悲観的な見方が強まりました。しかし、用途・エリアによっては、前向きな姿勢もみられました。前回調査と比較した主な傾向は以下の通りです。

【土地(住宅地)】
 全体としては、前回と比べて「ほぼ同じ」が12.2ポイント減少し、その分が「下落」の増加と「上昇」への微増へ割り振られた形となっています。前回では無かった「大きく下落した」が今回は見られ、「下落した」と「大きく下落した」を合計すると、前回よりも11.4ポイント増加していることから、下落傾向がやや増えている状況です。ただし、「ほぼ同じ」と「上昇した」が併せて62.7%であり、需要が堅調なエリアも依然としてありそうです。
 エリア別では、いわきの「下落した」が目立ち、概ね前回同様となっています。今回は相双も「下落した」が37.1ポイント増加し、下落が目立ちますが、前回には無かった「上昇した」が見られます。会津も「下落した」が11.3ポイント増加しましたが、前回なかった「上昇した」が見られます。
 今後の見通しでは、過半の方が、今後は下落すると予測されており、前回の予測と概ね類似します。今回の調査の結果としては、下落の合計は37.3%でしたが、各コメントから、全体的な需要は減退傾向であり、楽観視はできない情勢であることが伺えます。

【土地(商業地)】
 全体としては、前回と比べて各項目0.1から1.5ポイントの増減となり、概ね前回と同じ、下落約30%、同じ約60%、上昇約10%となりました。住宅地よりも安定的に推移していることが伺えます。
 エリア別では、いわきは、前回「下落した」が71.5%でしたが、今回は46.2%と、大幅に減少しており、やや安定化へ向かっていることが伺えます。相双では前回と比べて25ポイント分が、県南では前回と比べて3.3ポイント分が、「ほぼ同じ」から「下落した」へシフトした形となっています。県中、県北については、「下落した」が少ないことが目立ちます。県中では「上昇した」が1.8ポイント減少しましたが、他エリアと比べてまだ大きい割合であり、下落合計も5.2ポイント減少してい ます。県北では、「下落した」が1.1ポイント増加しましたが、「上昇した」は7.4ポイント増加しています。会津では、下落合計が22.7ポイント増加していますが、前回無かった「上昇した」が見られます。
 今後の予測は、「下落する」が今回の実感よりもだいぶ多いですが、半数弱が同じと上昇になっています。相双のみ、今回調査時よりも「上昇する」が増加していますが、少ない回答数のため一概には言えません。

【土地(工業地)】
 全体としては、各項目それぞれ0.2から2.2ポイントの増減となり、概ね前回調査時と同じ程度の結果となりました。       
 エリア別では、会津のみ下落が増え、前回よりも22.7ポイント増加しています。       
 今後半年間の予測は、概ね商業地と類似した結果となりました。

【特徴的な傾向】
 動向指数(DI)による分析では、実感は、全体的に緩やかな下降基調がみられ、その傾きは住宅地、商業地、工業地の 順に大きいことが分かります。住宅は概ね悲観的な傾向が強いですが、商業地と工業地はエリアによって前向きな姿勢 が伺えるところもあります。今後の見通しは総じて悲観的で、特に浜通りが顕著です。 
 コメントは、賃貸の空室増、県外からの引き合いが目立ちました。

<トピック調査>「自主避難者の帰還等」の影響について
 アンケートの結果、自主避難者の帰還等について、不動産市場への影響が見られると回答した方は全体の44.9%で、同55.1%は殆ど影響はないとの回答になりました。賃貸物件の空きが増えたというコメントが多く、大きくみた人の流れに起因して、空室の増加という現象が生じているという内容であると捉えられます。

 当協会は、不動産の適正な価格形成に資し、もって県民生活の安定向上と県土の均衡ある発展に寄与すること等を目的とする不動産鑑定評価に関する公益法人として、不動産市場が安定化するまでの間、これらの動向を適宜調査し、開示していきたいと考えております。

第15回:詳細はコチラを御覧ください >>(PDF:528KB)

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